Die Orgel

北海道大学クラーク会館大講堂 オルガン

2.ストップ一覧


・ストップリスト

    オルガンはパイプの種類によっては色々な音色を出すことが出来ます。 ストップ(音栓)と呼ばれる機構により、 これらの音色を組み合わせることも出来ます。 ストップの一覧を示したものをストップリストと言います。 下の表は北大オルガンのストップリストです。 1から6までのストップはペダル(Pedal)、 7から15までのストップは主鍵盤(Hauptwerk)、 19から28までの鍵盤は副鍵盤(Schwellwerk)で演奏出来るパイプに 対応しています。 それぞれのパイプは正面左、右下、右上に置かれています(写真参照)。

    P.Pedal ペダル I.Hauptwerk 主鍵盤 Koppel カプラー II.Schwell 副鍵盤
    1. Subbass 16' 7. Principal 8' 16. I-P 19. Weiden pfeife 8'
    2. Principal bass 8' 8. Holz gedackt 8' 17. II-P 20. Koppelflöte 8'
    3. Pommer 8' 9. Octav 4' 18. II-I 21. Principal 4'
    4. Spitzflöte 4' 10. Rohrflöte 4' 22. Quintade 4'
    5. Octav 2' 11. Nasard 2 2/3' 23. Octav 2'
    6. Fagott 16' 12. Waldflöte 2' 24. Larigot 1 1/3'
    13. Mixtur 4f 25. Sesquialter 1-3f
    14. Dulcian 16f 26. Scharff 3-4f
    15. Trompete 8f 27. Rohr schalmey 8'
    28. Tremulant SW

・カプラーとスウェル

    16から18までのストップはカプラー(連結器)であり、 本来、主鍵盤(I)・副鍵盤(II)・ペダル(P)で弾かれる音を、 他の鍵盤でも鳴らすことが出来るように 鍵盤間を連結するための役割を担っています。

    例えば、カプラーを入れない状態で、8.Holz gedacktと22.Quintadeを 入れて、主鍵盤を弾いた場合は、Holz gedacktの音が出るのみです。 なぜなら、Quintadeは主鍵盤ではなく副鍵盤に属するストップだからです。 ところが ここで、カプラー 18.II-I(II 副鍵盤のストップをI主鍵盤でも鳴る状態 にする)を入れると、 主鍵盤を弾いた時にHolzgedacktと同時にQuintade の音も鳴らせるわけです。 これによりより多彩な音色作りが可能となります。

    副鍵盤のパイプの収まっている部分(スウェルボックス)には、 スウェルと呼ばれる鎧戸がついています。 これを足元のペダルを用いて開閉することで、 副鍵盤に属するのパイプは音量調整が可能となります。

    28番のストップは特殊なストップで、これを用いると副鍵 盤から鳴らされるパイプの音に ビブラートが加わるようになっています。

・フィート表示

    ストップリストの各ストップには'の付いた数字が書かれています。 この数字はフィートの単位を持ち、 音の高さの情報を与えます。 同じ鍵盤を弾いても、 4'のストップの音は8'のストップの音の1オクターブ上を、 2'のストップの音は8'のストップの音の2オクターブ上を、 鳴らすことになります。 このように、 同じ鍵盤で音色のみならず音の高さも変わるのがオルガンの 特色です。 このフィートはパイプの長さとも密接に関係しています。 詳しいことは、 3.パイプの太さ・長さを御覧下さい。

・複合管

    リストの中には、fという記号のついた数字の書かれたストップもあります。 この記号のついているストップに属するパイプは複合管と 呼ばれます。fはfach(独:数詞の後について…倍、…重という意味を表す) の略です。 複合管のストップを入れると、 ある一つの鍵盤に対応して、数種類のパイプの組合せを同時に鳴らします。 例えば、4fは4種のパイプが同時に鳴ることを、1-3fとは音の高さによって 1種類から3種類までのパイプが同時に鳴ることを意味します。

北大オルガン研のホームページへ
更新:1999.11.1 製作:北大オルガン研究会 <webmaster@organ.dyndns.org>